投稿者:矢田部まり

ジャック・ロジエの「メーヌ・オセアン」

ジャック・ロジエ特集に行きたい、行きたい、と思っていたが行かれず、もうじき終わってしまうのであせって昨日やっと「アデュー・フィリピーヌ」と「メーヌ・オセアン」を見てきました。「アデュー・フィリピーヌ」は始まって3分で「あ、これ、見たことある」・・・。ホント、情けないです。トホホ、なんどこれをやったことか。きっとその昔、アテネ・フランセで見たのでしょう。

そして、2本目が「メーヌ・オセアン」。これ、最初の20分くらいを観光局で版権を買って、うちの事務所でビデオを流したい!! なぜかって、フランスでの国鉄の乗り方をよ~~く説明してくれるからです。ほんと、これからフランス国鉄に乗って旅行をしよう、という計画のある方全員に見ていただきたい~~。

ブラジル人の女の子(女の人、かな)が、パリのモンパルナス駅から特急列車メーヌ・オセアン号に乗るのですが、「コンポステ」するのを知らないで乗ってしまうんですね。そこで検札に来た車掌さんとトラブルになります。「外人だから知らなくて仕方ないよね」なんて全然許してくれないのです。

仕事柄「コンポステ」の説明はよくしますが、日本には無い習慣なので分かりにくいんですね。「コンポステ?何だそれは??」となってしまうのですが、要は、改札の代わりに自分でキップにハサミを入れてくださいね、ということなのです。そのための機械が駅構内のあちこちに立っています。そしてもしそれを忘れるとどうなるか、というのが、この映画を見るとほんとによ~~く分かるのです!ちゃんとキップは買ったのだからいいじゃない、というのはダメなんですねー。映画みたいにホントに罰金を取られます。

それにしても、予告篇を見ただけでストーリーが分かってしまう映画が多い昨今、「メーヌ・オセアン」ほど先の展開が読めない映画を久しぶりに見ました。一体これは、コメディーなのか、不条理劇なのか、ラブロマンスものなのか、ロード・ムービーなのか、ラスト20分はサスペンス映画なのか・・・・。しかも主役は一体誰なの!?

舞台となるイユー島がどこにあるのか気になる人へ↓。確かナントまで電車で行くのではなかったですかね? ポルニックはラスト、船が目指す場所です。でも、本当はノワールムーティエ島に辿り着いたのではないかと想像します。ノワールムーティエから陸地まで続く道路が映っていたような・・・。あそこは満ち潮になると両側海になり、まるで海の上を車が走っているかのように見える場所で、昔、車のコマーシャルの撮影にも使われていました。
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イユー島は結構人気があると観光地です。なので、映画見て本当に行ってみたりしてもいいと思います。ちなみに、「オルエットの方へ」の舞台もイユー島からすぐ近くです。オルエットは、相当細かい地図を見ないと出てこない本当に何もないところ。実際に行かなくてもいいかも・・・。で、「アデュー・フィリピーヌ」はコルシカが舞台ですから、もちろん行くべき!あなたもロジエの映画に負けず、ヴァカンスを満喫しよう!



投稿者:矢田部まり

パリでロケ、2009年は830本も!

パリ市のサイトによると、昨年パリでは830もの媒体のロケが行われたそうです! すごいですね。日数にすると3318日分だとか・・・。 

撮影の内容は、テレビ番組、映画、広告撮影、ドキュメンタリー。なるほど、広告まで入れればそれくらいになるのかも。

90本の長編、136本の短編、ドキュメンタリー66本・・・と書いてあります。

なかでも要チェックなのは、イーストウッドが新作「Hereafter」をパリで撮影した、という記述。マット・ディモン主演、モーガン・フリーマン脚本・・・あれ、それって「インビクタス」のこと?今週末見に行く予定ですが、南アフリカが舞台と思っていたけどパリも映るのね・・・などと思って調べてみたら、全然別の作品でした。今まさに制作中みたい。また同じメンバーで作っているんですね。セシル・ド・フランスも出演するみたいです。おお早く見たい~~。(2月8日追記:モーガン・フリーマンって脚本書くのかあ?・・・と不思議だったんですが、脚本はピーター・モーガンでした・・・。失礼しました。また同じメンバー、というのはですので撤回。

それからクリストファー・ノーラン監督(バットマンの監督です!)がデカプリオ君とマリオン・コティヤールを主演に「Inception」という映画を撮影しているみたいですが、これも舞台はパリのようです! 予告編がパリのサイトで見られるようになっていました。 なにやらパリがすごいことになっています。パニック映画でしょうか?これまた楽しみです~~。2本とも、日本での公開はまだまだ先?? (2月8日追記:週末インビクタスを見に行ったら、Inceptionの予告編をやっていました。日本では7月に公開のようです)


INCEPTION - Bande -annonce VOST
アップロード者 WarnerBrosPicturesFrance. - 注目の映画やテレビショーを最初から最後まで見る。

投稿者:矢田部まり

戦後フランス映画ポスターの世界

本サイトの「日本で楽しむフランス」コーナーでもご紹介しましたが、フィルムセンターで「戦後フランス映画ポスターの世界」という展覧会を開催しており、さっそく行ってきました。affiche_films_france.jpg
京橋にあるフィルムセンターはずいぶんお世話になりましたが、映画上映ホールではなく展示室に入るのは実はこれが初めて・・・。ふむふむ、特別展は常設展を通り抜けた先にあるんですね。戦前の日本映画などの断片を上映しているので、それにいちいちつかまってしまってなかなか先にすすみません。

ようやく辿り着いた特別展。フランス映画のポスターが次々に現れますが、あー、見たことある映画がほとんどないーー。めげずにポスターを見よう。どれも迫力あるし、ポスターなだけあって、解説と合わせて見ていると、映画が見たくなってしまう。この特別展のあとに階下に降りると上映していればいいのに・・・。

2月中旬で展示ポスターが入れ替わり、もう少し新しい時代のポスターが展示されるよう。見たことある映画のポスターも今度こそあるかもしれないからもう一度行ってみようかな。

それにしてもポスターが大きいです。フランスの映画ポスターって大きいですね。地下鉄構内のポスターも「見てくれ~~」という迫力でせまってきます。こんな感じ↓

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で、次から次と見たくなる。地下鉄でもバス停でも町中でも、映画のポスターが身近にあります。フランスは昔からこのようなダイナミックなポスターを作り続けてきたんですねー。

 

 

投稿者:Oko

モニュメンタ MONUMENTAに行ってきた


本サイトでも紹介しているモニュメンタ(於・グラン・パレ、1月13日~21日まで)に行ってきた。グラン・パレは1900年のパリ万博のメイン会場として建てられた建物で、鉄骨とガラス張りのドーム屋根で知られ、現在はおもに企画展に使われている。その本堂を使って2007年より開催されているのが現代アートイベント、モニュメンタ。これまで2度の開催ともに海外アーティストの作品が続いたが、今回3度目にして初めて自国の現代アーティスト、クリスチャン・ボルタンスキーに白羽の矢が立ち、彼の巨大なインスタレーションを展示する運びとなった。開催初日の前日12日夜には、国営放送France2や民放TF1の夜のニュースでもモニュメンタを大々的に取り上げており、期待して本日行ってみた。

ルタンスキーは「死者のモニュメント」でも知られ、その作品の多くがこの世から消えてしまった人びとの記憶に捧げられている。今回のインスタレーションのテーマは「Personnes」。直訳すれば「人間」だが、ボルタンスキーが伝えたいのは、彼のいつものテーマ「人間が生きた証やその記憶、死」だろう。


チケットを購入して本堂に足を踏み入れると、13500平米の広大なスペースには古着だらけ。ブロック毎に区切られた床には、男性もの、女性もの問わず様々な種類の古着が並べて寝かせられている。そしてその奥に、今回のインスタレーションの目玉でもある、高さ8~9メートルはあるかと思われる巨大な古着の山(!)があった。


山の上にはクレーンが設置されており、絶えず上下して、上部にある古着を釣っては投げ落す。宛ら「古着を釣る巨大なUFOキャッチャー」と言った所だろうか(描写が低レベルで申し訳ない)。残念ながら私はコンテンポラリーアートに非常に疎く深い感動を得ることはできなかったのだが、素人なりに感じとったことがいくつかあった。


まず、グランパレの本堂の雰囲気と作品の関係だ。本堂nefは広々としてはいるものの、内部は外部とほとんど変わらない気温で寒く、また、外光だけが頼りの暗い内部は、ある意味、酷な空間を既に演出している。そこに着古された服が、直に床に無機質に並べられていたり、あたかも死体の様に山積みされている様は、それだけで圧巻である。


また、今回の作品で使われている膨大な量の古着は、着られないほど汚くはないが、しっかり着古されたことがわかる状態の衣類で、まだ人の体温が残っていそうな、ある程度の気持ち悪さが滲み出ていた。「生」を伝える材料としては悪くないと思った。


巨大な山の上で絶えず動くクレーンが、ランダムに引っかかる服だけを掴み上げ、上へ上へと釣り上げた直後に、再度山の上に投げ落とす光景は、1回観れば飽きそうなものだが、不思議と何度も繰り返して観てしまう。



ある程度見続けていると、ばらまかれる古着の動きが綺麗だから観ているのではなく、次はどの服(人間)が引っかかって上から突き落とされるのか(裁かれるのか)というスリルで観ているのに気付いた。この光景はどこか芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を彷彿とさせた。


モニュメンタは、写真やドキュメンタリーなどの展示室が別途用意されているわけではなく、本当に「インスタレーションだけ」の展示だ。色々鑑賞できるだろうと期待して行ったので正直がっかりしたのは否めないが、期間中同時に行われている「心臓音の提供」は興味深いので記しておきたい。


クリスチャン・ボルタンスキーは、今年の瀬戸内国際芸術祭に向けた作
品制作の一環として、世界中の人々の心臓音の録音を行っており、モニュメンタ期間中、グランパレの本堂奥に設けられた専用の控室で、一般人からの心臓音を集めている。集められた音で作られる彼の次作品「心臓音のアーカイブ」は、香川県の豊島(瀬戸内海に浮かぶ島)に開館予定の美術館に設置される。


見学者のほとんどが心臓音の提供を希望するため、整理券をとったあと30分~40分は待たなければならない。室内に入ると聴診器みたいなものを渡され、左の胸にあてて1分じっとして録音したら終了。自分にもヘッドフォンが渡され同時に音を聴けるのだが、想像以上にクリアな音で聞こえてきたので驚きだった。5ユーロを払って売店でCD-ROMを購入すれば、自分の心臓音を焼いてもらうことも可能。

◆モニュメンタ2010公式サイト
www.monumenta.com/2010/

投稿者:Mayumidon

旅へのいざない

あけましておめでとうございます。
新年のすがすがしい一日、今年はどんな場所へ旅に出ようかと思うと希望が膨らみます。

お正月はあちこちのテレビで世界の絶景が放映されるので、旅ごころをくすぐられっぱなしの方も多いことでしょう。テレビだけでなく、美しいグラビア誌、映画、小説、音楽など、旅のきっかけとなる要素は無数にあるわけですが、実際、世間の人はどんなことがきっかけで旅立ちを決意するんでしょうか。皆さんにとって「旅への誘い」とは何なのでしょう。


自分の昨年の夏休みを振りかえると、次の2本の映画に大きく影響されたのは間違いありません。
・ 『サン・ジャックへの道
・ 『レ・ブロンゼ ~日焼けした連中

コリーヌ・セロー監督の『サン・ジャックへの道』(2005年)は、ひょんなことから素姓の異なる者どうしが一緒になって、サンチアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路を歩くことから生まれるコメディタッチのヒューマンドラマ。 
もう一方の『レ・ブロンゼ』はパトリス・ルコントの初期の監督作品(1978年)で、クラブメッドのバカンス村に集まった男女が繰り広げる一夏のハチャメチャ恋愛劇。フランスでは国民的おバカ映画として大ヒットし、その後「レ・ブロンゼ スキーに行く」など続編も製作されました。

 

見終わった後は「ああ、あんな場所を歩いてみたい、行ってみたい!」という気持ちになるのはもちろんのこと、ホテルじゃないバンガローや山小屋に泊まりながらの長期バカンスってなんだか楽しそう、フランス人の濃ゆい機関銃トークにも参戦したい、という気持ちが湧いてきます(互角に参戦は無理だとしても、合いの手くらいはうまく打てるようになりたい)。

 

それに映画よろしく滞在先で将来の伴侶まで見つかっちゃったりして...とよこしまな考えも。以前、インフォメーション担当のtamisanが「フランスで出会いを求めるならどんなとこへ行ったらいいのですか」というお問い合わせを受けたそうで、「こういう滞在型バカンス+アクティビティがお勧めです」などと横からでしゃばりかけた私ですが、まずは自分で試してみませんとね。

 

ということで行ってきましたコルシカ島、1週間のハイキングツアーへ参加しました。

 コルシカ山(resize).jpg    コルシカ山2(resize).jpg

 

いやはや、たいへん濃ゆい一週間、大満足なバカンスを過ごすことができました。
映画『サン・ジャック~』同様、知らない人どうしの自己紹介から始まり、後はガイドに導かれながら大自然の中を歩き、夜は山間いの村にある共同宿泊所(gite d'etapeジット・デタップ)に寝泊まり。コルシカの美味しいものを毎日リュックに詰め、絶景の中でピクニック(もちろんワイン付き、渓谷での水浴び付き、昼寝付き)。

よくストレス多いパリの都会生活を「メトロ・ブロ・ドド(地下鉄、仕事であとは寝るだけ)」と皮肉ったりしますが、コルシカでの一週間は「ランド・アペロ・ドド(ハイキング、アペリティフ、昼寝)」の繰り返しで、まさに天国でした。

 

残念ながら将来の伴侶は見つかりませんでしたが、ハイキング天国コルシカの様子は、しばらくブログでお伝えしますのでどうぞお楽しみに。それと、コルシカはフランス人の国内旅行としても大人気の旅先ですので、真夏の旅でも今のうちから計画を立てておくのがお勧めです。

 

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